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ストレス性腸炎?本当に腸炎?それとも気にしすぎ? - 仁川 白鹿潭韓医院
ブログ 2025年5月31日

ストレス性腸炎?本当に腸炎?それとも気にしすぎ? - 仁川 白鹿潭韓医院

崔然昇
崔然昇
代表院長

こんにちは。白鹿潭(ペクロクタム)漢方医院です。

もしかしたら、このような言葉を聞いたことはありませんか?検査では特に異常がないのに、お腹が頻繁に痛み、食事をすると胃もたれし、緊張すると必ず下痢や腹鳴が繰り返される、といったケースです。

病院に行くと、こう言われます。「ストレス性腸炎のようですね。」

何だか病気ではないかのように、軽視されているような気分になる言葉ですよね。今日は、この「ストレス性腸炎」という言葉の正体についてお話ししたいと思います。

「ストレス性腸炎」は診断名ではない

まず、医学的には「ストレス性腸炎」という正式な診断名はありません。医師たちがこの言葉を使う理由は、検査上特別な炎症や病変はないのに、明らかに腸に不調を訴える患者さんがいるためです。

腹痛、頻繁な下痢、消化不良、腹鳴(お腹がグルグル鳴る音)といった症状があるのに、内視鏡検査は正常で血液検査にも特別な異常が見られない時、そのような場合に患者さんへ説明するために使う非公式な表現が、まさに「ストレス性腸炎」なのです。

つまり、これは病名というより、症状を説明するための日常的な言葉に近いものです。

では、これはどのような病気なのでしょうか?

実際には、ほとんどが機能性胃腸障害、過敏性腸症候群(IBS)、あるいは胃腸管型不安障害といった疾患が、「ストレス性腸炎」という言葉で総称されています。

検査では問題がなくても、ストレスを感じたり緊張したりするだけで、腹痛、腹部膨満感、下痢、あるいはげっぷや腹鳴が特にひどくなり、消化器全体が過敏になる状態です。

本当の「腸炎」とは何が違うのでしょうか?

「腸炎」という言葉は本来、腸粘膜に炎症があり、全身性の炎症反応が表れる状態を指します。例えば、感染性腸炎であれば、嘔吐、発熱、頭痛、腹痛、下痢とともに、検査では白血球やCRPの数値が上昇しており、便にも炎症細胞や血液が見られることがあります。

しかし、「ストレス性腸炎」と呼ばれるケースでは、発熱もなく、炎症の数値も正常か軽微で、内視鏡所見もほぼ正常です。つまり、真の炎症はないものの、機能が損なわれている状態、腸自体がストレスに過敏に反応しているのです。

なぜストレスを感じると腸が痛くなるのでしょうか?

これは、私たちの体の神経系が関わっているためです。腸には脳の次に多くの神経細胞が集まっており、脳腸相関(Gut-Brain Axis)という概念でつながっています。

ストレスを感じると、腸粘膜の保護機能が弱まり、微細な炎症反応が起こり、腸の運動が不規則になることで、下痢、げっぷ、腹鳴、腹痛といった症状が誘発されます。

そしてこれが繰り返されると、腸はますます過敏になり、神経系がストレス刺激に過剰に反応することで機能が損なわれ、自律神経は不安定になります。

漢方医学ではこのように捉えます

漢方医学では、このような状態を「肝気犯胃(かんきはんい)」「肝鬱脾虚(かんうつひきょ)」「心脾不交(しんぴふこう)」といった病機(病態)で説明します。

肝の気が滞って脾胃を抑えつけると、げっぷ、膨満感、みぞおちの不快感が生まれ、気が下へスムーズに流れなくなると、腹痛と下痢を繰り返すようになります。

ひどい場合、精神的な緊張と腸の機能が互いに絡み合い、消化不良や不眠、気力の低下といった全身的な問題へと発展します。

治療はどのようにすれば良いのでしょうか?

このような時は、無条件に抗生剤を使ったり、腸の動きを止める薬に頼るよりも、機能を回復させる治療が中心となります。

漢方薬としては、柴胡疏肝湯(さいこそかんとう)、逍遥散(しょうようさん)、半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう)、香砂六君子湯(こうしゃりっくんしとう)のように、気の巡りを調整し、腸の機能を安定させる処方が用いられます。

鍼治療も効果的です。中脘、足三里、内関、太衝、心兪、神門といったツボを通して、自律神経を安定させ、腸の蠕動運動を調整します。

食事と生活も共に改善していく必要があります

空腹を長く続けたり、冷たいもの、生もの、刺激的なものを繰り返し食べると、腸の過敏な反応がさらに悪化します。

治療の初期には、白米粥、加熱した野菜、温かく消化の良い食事を中心に調整し、少しずつ食事の多様性を取り戻していくことが重要です。

「避けるだけの食事」ではなく、「対応できる腸の状態」を作り出すことが治療の目標です。

「ストレス性腸炎」という言葉は正式な病名ではありませんが、誰にでも起こりうる、誰もが苦しむ状態です。病名がなくても症状は明らかで、その症状は単に心から始まっただけでなく、体にもはっきりと現れている変化なのです。

漢方医学は、このような「異常だが説明できない症状」を、気や臓腑の流れ、そして心身の調和の状態として捉え、その原因を解き明かす医学です。

検査は正常なのに痛みが続くなら、それは単に過敏であるだけでなく、あなたの腸が送っている本当のサインかもしれません。

今日も健康な一日をお過ごしください。ありがとうございます。

#ストレス性腸炎

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崔然昇

崔然昇 代表院長

15年の臨床経験と精密なデータ分析に基づき、ダイエットから難治性疾患まで、体のバランスを取り戻す統合治癒ソリューションを提案します。

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