ダイエットの男女差 — 基礎代謝量とホルモン、体質によるアプローチ
同じ食事、同じ時間の運動なのに、隣の人だけがどんどん痩せて自分はそのまま。診察室でこのようなお悩みを本当によく耳にします。特に夫婦や友人と一緒に始めて、片方だけ先に痩せると「自分の体が変なのかな」と戸惑われることでしょう。まずお伝えしたいのは、ダイエットは人によってスタートラインが少しずつ異なり、そこに性別・ホルモン・体質の差まで加わるため、結果に幅が出るのは当然のことなのです。今日は、そのダイエットの差がなぜ生じるのか、ダイエットをすると体や顔がどのように変わるのかについてお話しします。

同じ食事、異なる結果が出る理由
基本原理から確認しましょう。男女問わず、摂取カロリーが消費カロリーを下回れば体重は減少します。食事制限の原理自体に性別は関係ありません。しかし、同じ量を食べても結果が分かれるのは、スタート地点が異なるためです。
一般的に男性は体重と筋肉量が多く、基礎代謝量(BMR)も高い傾向にあります。同じ1,500 kcalを摂取しても、男性の方が一日の消費エネルギーが大きいためエネルギー不足(赤字)が大きくなり、同じ期間でも減量幅が大きくなります。ホルモンも重要な役割を果たします。男性はテストステロンが多く、筋肉量と基礎代謝率に有利に働きますが、女性はエストロゲンの影響で脂肪を蓄える方向に傾きやすくなります。女性の体脂肪率が相対的に高い理由もここにあります。
蓄えられる燃料の種類も異なります。男性はタンパク質(筋肉)の比重が大きく、女性は脂肪の比重が大きいため、同じように食事制限をしても、減少する組織の種類や速度が異なってきます。「意志が弱いから」ではなく、スタートラインが違うのです。


実際の研究に見る減量速度の差
数字で見るとより明確になります。ある研究によると、同じダイエットプログラムを終えた後、女性は平均9.9 kg、男性は平均11.8 kg減量したと報告されています。2ヶ月までは男性が女性より約2倍速いペースで体重が減少したという内容も紹介されています。同じスタート地点から始めても、最初の2ヶ月で大きな差が開くということです。
幸いなことに、時間が経つにつれてその差は少しずつ縮まっていく傾向が見られます。序盤の速度に一喜一憂せず、6ヶ月、1年単位のグラフを見るのが精神的にも良いでしょう。
顔の変化も、ダイエットのサインが最も早く現れる場所です。体全体の脂肪が減りますが、顔の変化は特に目立ちます。頬の肉や二重あごがスッキリすることでフェイスラインがはっきりし、目鼻立ちが鮮明に見える変化が先に訪れます。逆に、あまりにも早く、大量に痩せすぎると、頬のコケ・ほうれい線・目の下のくぼみが強調され、やつれて見えたり老けて見えたりすることがあります。30〜40代以降であれば、同じ減量でも肌の弾力低下により、たるみが目立ちやすくなるのが一般的です。
白鹿潭韓医院が考えるダイエットの個体差
診察室で私は、患者様のダイエットの差を単なる「カロリー赤字がいくらか」だけで判断しません。韓医学では、同じ脂肪であってもどのような体質、どのような気血状態でついたものかをまず見極めます。
女性はエストロゲンの影響で脂肪が蓄積されやすいだけでなく、出産・生理周期・更年期のようにホルモンが変動する時期も多いです。韓医学ではこのような状態を痰飲・水湿が停滞しやすい体質と捉え、単に食事量を減らすだけでなく、滞っているものを巡らせる方向でアプローチします。逆に、筋肉が硬く食事量が多い方であれば、脾胃の熱を調節するアプローチを行います。
30〜40代以降の患者様には、速度の調節をより強調します。急激な減量に成功しても、顔がカサつき、弾力繊維や筋肉から先に落ちてしまうと、回復が難しくなる可能性があるからです。「どれだけ早く痩せるか」よりも「どの組織が減りながら痩せるか」が、韓医学においてはより重要な問いとなります。

今日から実践できるダイエットのポイント
原理を理解したところで、実践に移してみましょう。診察室でよくアドバイスする内容です。
- 減量速度はゆっくりと: 顔の老化を抑えリバウンドを防ぐには、1ヶ月に2〜3kg前後の緩やかなペースが理想的です。初月から5kg以上落とそうとすると、頬のコケやたるみが伴いやすくなります。
- タンパク質を優先的に: 低カロリー食で筋肉が先に落ちると基礎代謝量が低下し、次回のダイエットがより困難になります。毎食、手のひらサイズのタンパク質を確保しましょう。
- 筋トレ+有酸素運動の併用: 特に女性は筋肉量が少ない状態からのスタートとなるため、筋力トレーニングを並行することで、同じ減量でもボディラインが整います。
- 睡眠とストレス管理: ホルモンが乱れると食欲も乱れます。睡眠不足の週は、食事管理が崩れやすくなります。
- 数字よりも体組成: 体重計の数字一つに一喜一憂せず、体脂肪率・筋肉量の変化を併せて確認してください。男女差が最も大きいのがこの部分です。
- 絶食しない: 極端な低カロリーや絶食ダイエットは、顔の弾力繊維と筋肉を失わせ、カサついた老け顔の印象を与えやすくなります。
ダイエットの差は意志の差ではなく、スタートラインと体質の差です。「夫は2ヶ月で痩せたのに、なぜ私は」という比較は一度横に置いて、自分の体の基礎代謝量とホルモン環境を認めた上で計画を立てる方が、はるかに効率的です。一人で献立を立てるのが難しい場合や、1ヶ月に2〜3kgのペースを守りながら体質に合った補助処方(白鹿感肥錠など)が必要な場合は、まず体質診断からじっくり始めることをお勧めします。診察室で、あなたのスタートラインから一緒に確認していきましょう。